【衝撃】クルマを鷲掴み!瞬時に粉々に...巨大重機が活躍する"自動車リサイクル最前線 "&"驚きの遠隔操縦"

工場へ行こう III AMAZING FACTORY

壮大な光景が広がる“自動車リサイクル”の最前線には、豪快な巨大重機の活躍があった。人々の暮らしを支える車はどのようにして生まれ変わるのか……その秘密に迫る。

※前回の工程はこちら

巨大シュレッダーが車を丸のみ!剛腕重機が活躍するリサイクル現場

リサイクル企業「アビヅ」の巨大工場(名古屋市港区、敷地面積約11万平方メートル)では、日々たくさんの自動車を解体している。
リサイクルするため、バッテリーやエンジンなどさまざまなパーツを取り外し、プレスされてブロック状になった車体は集積場へ。

ここで登場するのが、工場のゴッドハンド「グラップル」だ。最大の特徴は、巨大な四つ又のツメ。

全体を見渡しながら作業をするため運転席が上昇すると、ツメは優雅に空中を舞い、巨大ブロックをがっちりホールド。「グラップル」は何でも鷲掴みする重機で、600キロのブロックを軽々と持ち上げてしまう。

持ち上げられたブロックは、何でも簡単に粉砕する巨大シュレッダーの中へ。

シュレッダーの下を見てみると、車のブロックが粉々に。ここまで作業すると、もはや車の影も形もない。
粉々になった鉄くずやプラスチックはコンベアで運ばれ、別のシュレッダーでさらに細かく粉砕される。

粉砕後は、回転する巨大な磁石が“鉄”と“鉄以外(プラスチックなど)”に仕分け。ここでしっかり仕分けすることが、鉄のリサイクルにはとても重要だ。

まるでSF!工場で大量の鉄をつかむ無人重機「マグネット」

こちらが、仕分けされ、不純物を取り除いた鉄。最後に鉄の集積所で活躍するのが、工場の運搬王「マグネット」だ。

特徴は先端にある超強力磁石の円盤で、これに仕分け後の鉄を大量にくっつけて、コンテナや集積場に運ぶ。

「マグネット」の運転席は無人で、現場から約5分離れた事務所の操縦ルームで遠隔操作している。車体に取り付けたカメラがリアルタイムで映像を送る仕組みになっており、重機遠隔操作オペレーターの後藤さんが操縦していた。

「普通の重機で見える部分と、こちらで見える部分が違う。奥行きをつかむのが難しい」。

実は後藤さんのメインの仕事は営業事務。しかし重機を扱う免許を持っているため、営業事務と重機操縦士を兼務している。

こうして出荷された鉄は製鉄会社などに運ばれ、新たな製品に生まれ変わる。
人々の生活を支える自動車や家電には、たくさんのリサイクル素材が活用されているのだ。

 

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